じめじめと鬱陶しい梅雨があけ,1週間あまりが過ぎようとしていた。
庭の紫陽花が老いの翳りを見せるのに対し,木々の緑葉は日差しの中で青々と燃えている。
この時期は,隊内の配置換えや各地方への出張がひと通り済んで,ほっとひと息つける頃でもある。
ひと息つけるはずなのだが――僕の口から吐き出されるのは,溜息ばかりだ。
「随分と溜まったものだね」
「…ええ,まあ」
深く溜息をついた僕の横で,篠原君が歯切れ悪く頷いた。
僕らの視線の先には,溜まりに溜まった書類の束が富士山よろしくでんと積みあがっており…。
「「…」」
まさに僕らの気分は曇天だ。
屯所の外はあんなにも晴れているというのに。
まったくもって,曇天だ。
愛はどうだ!
(今地震でも起こったら…確実に雪崩が起きるな)
自分の想像に,僕は内心で舌打ちをした。
これほどまでに書類が溜まってしまったのには,正当な理由がある。
まず1つ――真選組内で事務能力の備わっている者が極端に少ない,ということだ。
なにせ『自分は刀一本で生きていた』と恥ずかしげもなく口にするような輩ばかりなのだ。
(ふん…腕っぷしにしか自信のない痴れ者共がなにをほざくか)
ただ単に頭へ回す分だけの能力を持ち合わせていないだけではないか(このB級侍共が)。
そしてもう1つ――書類の中には,僕の『同志』以外に見られては困るものがある,ということ。
僕は真選組参謀などというしみったれた役職で,人生を終わらせるつもりは毛頭ない。
真選組を地盤に天下へ躍進するのが僕の野望であり,そして僕に賛同してくれる皆の本意でもある。
そういうわけで僕の同志ではない者たちに見られては,なにかと厄介な書類も存在する。
事を起こす前に,そういったものを見つけられてはほとほと困るわけで。
ただでさえ事務能力の低い組内で,さらに僕に賛同する者となると,本当に数が限られてしまうのだ。
…あらためて考えてみると『正当な理由』ではない気もするな(だがそこは敢えて無視だ)。
「なにか良い案はないものかな」
この積み上げられた書類の高さと,真選組内の平均偏差値はおそらく見事に反比例だ。
鬱蒼たる白い密林状態の机上を見ていると,げんなりを通り越して悲しくなってくる。
今なら体中の二酸化炭素を吐き出せる気がする。気分的に。
「…」
「…」
しばらくの間沈黙が続き,壁時計の秒針の音だけが部屋の中を一人歩きしていた。
「…そうだ」
俯き気味だった顔を上げ,篠原君は突如ぽんと手を打った。
「一般人から事務員を募集してはどうでしょう?」
「一般人から?」
彼の意外な言葉に,僕の目は丸々と見開かれた。篠原君は「ええ」と一度強く頷いて,
「へたに隊内のことに詳しい人物より,むしろ真選組とは全く関係のない人物の方が,こちらの思い
通りに動かせるんじゃないですか?」
「…なるほど」
ここにある書類のほとんどはパソコンへ入力しさえすれば良い,というものばかりだ。
つまり,入力が出来れば(そして早ければ)特に頭を使う作業でもない。
それに加えて,組内の者なら不審を抱く数値でも,内事情をよく知らない人物ならば,そこらへんを
スルーして淡々と打ち込んでくれるだろう。
そこまで考えを巡らせると,僕は腕組みをして首を縦に振った。
「一理あるね」
「そうでしょう!」
僕が同意を示したことで勢いづいたのか,篠原君はいきいきと続けた。
「要はこの溜まった書類が片付けば良いわけですから。2ヶ月の短期事務バイトってことで募集を
かけてみてはいかがでしょう?」
「…ふむ」
空調の人工的な風を受け,書類の束がかさかさと乾いた音を立てた。
(そうだな…)
とにかく。
とにかく,この膨大な量のデータを黙って打ち込んでくれさえすれば良いのだ。
(それから電話の応対もやってくれると,なお良いな)
なにしろ無骨な野郎共の電話応対を聞いていると…なんというか肝が冷える。
「市民に対してその無礼な口調は無いだろ」と思うことが時々。いや,かなり。
隊士に向けて『正しい敬語の使い方――声に出して言いたくなる日本語講座』を開こうかと真剣に
考えたこともあるほどだ。
兎にも角にも,要は<PC入力作業>と<電話応対>。
本来,なにも難しいことはない業務だ(そしてそれさえ出来ない単細胞生物の巣窟がここだ)。
「よし。公募してみよう」
「はい!」
篠原君は力強い声で頷き,
「じゃあ早速,局長を適当に丸め込んで事務員募集の許可をもらってきます!」
と,意気込んで部屋から出て行った。ぴしゃっと勢いよく閉じられた襖が,反動で少しだけ開いた。
『丸め込んで』って…たしかにそうなのだが。
あからさま過ぎるというか…もっと…こう…まあいいか。
僕は咳払いを1つして,眼鏡の位置を指先で直した。
(問題は,だ)
≪すこぶる評判の悪い真選組に,はたして職員希望者が集まるだろうか≫ということに尽きる。
「…まったく」
考えれば考える程,頭と胃が痛くなる。
窓の外から滲む若い蝉の鳴き声に,僕はもう一度深い溜息をついた。
++++++++++
土用の丑の日が終わって1週間あまり。
事務員募集のポスターを貼ったり,ホームページに広告を載せたり,できる限りのことをやってみた。
やってはみたのだが…僕の口から吐き出されるのは,やはり溜息ばかりだった。
「…ここまで酷かったとは」
思わずひとり言まで呟いてしまう始末だ。
数日前よりも更に高くなった書類の山を見ると,真剣に現実逃避をしたくなる。
(なんてことだ…)
僕は机に両手をついて項垂れた。
この不景気――まともな事務員の1人や2人,希望者が来てくれても良いではないか!
なのに,来ない。
いや,何人か来たことは来たのだが,何を勘違いしているのか「自分は剣に生き,剣に死ぬ覚悟です!」
と豪語する者ばかりであり…これでは今いる体育会系の芋侍と大差ない。
こっちはあくまで『事務員』を募集しているというのに。
『真選組』というイメージが先行しているせいか,頭より腕に血の集まった人間ばかりがやってくる。
あまりにそういう勘違い野郎が多いため,面接も最後の方になると「黙れ。カルピスの原液一気飲み
させるぞ」とでも言ってやりたくなった。それくらい苛々した。
――正直言って,事務員の募集がこんなにも大変だとは思わなかった。
なにも難しいことをこなす人材を探しているわけではないのに。
ただ黙って事務作業をこなしてくれる人材を探しているだけなのに。
「あんまりだ…」
部屋の温度を保つ空調の小さな音さえ,憎らしくなってくる。いかんいかん。
僕は頭を軽く振り,カオス状態の机に背を向けてその部屋を後にした。
「伊東先生,お出かけですか」
気分転換に市中見回りに行こうとして,門番の青年に声をかけられた。
「ああ。たまには僕も付近のパトロールにね」
「おつかれさまです!お気をつけて!」
「ありがとう。君も水分をよくとるように。この暑さだ…脱水症状を起こさないように」
「はい!」
彼は汗を拭きつつ笑い,びしっと僕に向かって敬礼をした。なんとも清々しい動作に,僕の苛立ちも
ほんの少しだけ和らいだ。小さく笑って単身門をくぐり,屯所の塀沿いに歩き出す。
しかし,ほんの数十メートル歩いただけでシャツの中が汗みどろになってしまった。
(…暑いな)
冬生まれだからというわけではないだろうが,僕は昔から夏が苦手だ。凶暴な日差しを浴びていると
頭の中まで茹だってくる気がする。
(真選組に正式な夏服が無いのは問題だな…)
好き勝手に額を滑る汗をハンカチで拭い,我知らず眉間によっていた皺をほぐす。
以前,近藤さんや山崎君らが袖部分を破いた『ロックテイスト』(のつもりらしい)制服を着用して
いたが,あれは明らかに悪ふざけが生み出した産物だった。
つーか発案者が沖田君という時点で,既に悪ふざけでしかないと思うのだが(しかも発案した本人は
着ていなかったしな)。
いくら涼しくても,あんなものを僕が着るわけにはいかない。
そして,僕が制服を着崩すわけにもいかない。
自分についている『イメージ』とは時に憎らしいものだ。
「今度の会議で夏服を提唱してみるか………ん?」
曇った眼鏡を外し,レンズを拭こうとして――僕は目を細めた。
数十メートル前方から原動機付自転車が土煙をあげて走ってくる。
なんのことはない,いたって普通の空色の原付だ。
しかし,どうやら運転者の後ろにも人が1人座っているらしく,若干車体がふらついている。
僕は眼鏡をかけ直し,やれやれと口の端を下げた。
注目すべきは,白のナンバープレートだ。
白いナンバープレートの原付は第一種。つまり2人乗りはできない。
れっきとした道交法違反だ。
「そこの君,待ちなさい」
ほんの2,3メートル前まで近づいたところで,僕はその原付を呼び止めた。
「はーい」
快活な声と共に,原付は素直に停まった。車体と同じ空色のヘルメットを少しずらし――
――運転者は僕を見上げてきた。
「なんですか?」
驚いたことに,運転していたのは年の頃二十歳くらいの若い女性だった。
袴にブーツという典型的な女学生姿で原付を乗りこなすとは,なかなか先進的な女性らしい。
だが,先進的でも女性でも違反は違反だ。
「原動機付自転車・第一種の2人乗りは禁止されている。原付を路肩に寄せて免許証を見…せ…」
説明の途中で僕は言葉を止めた。というより,止めざるを得なかった。
(…見たことのある着物だな)
彼女の着物が,ではない。
後ろに乗っている人物の着物が,だ。
薄い朽ち葉色の着物に,松葉色の袴。
ただし所々に土やら埃やら血のりやらがついている。
顔は――見ることができない。
オバQとアヒルを合体させたかのような生き物(たしか宇宙怪獣…ステファニー?)(←惜しい)の
お面をかぶせられているのだ(なんでだ)。
しかし顔は見えないとはいえ,このボサボサの短髪。太い首。筋肉のがっしりついた無骨な腕には毛が
生えていて,さながらゴリラのような…うん…ゴリラ…。
「…」
僕の全細胞が,目の前の事実を全力で拒否しようとしている。
人体を構成する細胞の数は,数十兆程度といわれている。その数十兆全てが全力で拒否しているのだ。
すごいことではないか…ああ,ものすごく愚かしいことだ!!
「…近藤さんんんんんん!!!???」
柄にも無く思わず絶叫してしまった僕に対して,運転者の彼女は「あ~やっぱり局長さんだったん
ですね」などと,マイペースに頷いている。
違うと言いたい。
こんな人外・霊長類は自分の上司じゃない,と叫びたい(でもそういうわけにもいかない)。
「近藤さん…ちょっ…だ,大丈夫なのか!?」
「…」
返事がない。ただの屍のようだ(が違う)。
ぴくりとも動かないのを見るに,どうやら気絶しているようだ。
よくよく見ると,長い紐のようなもので,彼女と近藤さんの体はぐるぐる巻きになっている。
失神状態の近藤さんが転げ落ちないのは,その紐のおかげだ。
「き,君はこの人をどこで?」
「道端に落ちてましたよ」
実にあっけらかんとした口調で彼女は言った。
いやそんな<ハンカチ落ちてましたよ>みたいな軽いノリで言われてもな!
「道に落ちてた,て…」
再度近藤さんを見下ろすと,かぶせられているステファニー(間違い継続中)のお面と目が合った。
なんなのだ,このおそろしくシュールな目玉は。
「うちの大学の近くに倒れていらしたんですよ」
お面から目を逸らせない僕に,彼女は詳しい経緯を語り始めた。
「どこかでお見かけした顔だなあって。じっと見てる内に『真選組局長さんだ』と気付いたんです。
大丈夫ですか,とお声をかけたら『屯所まで…つれていってくれ』と言い残して気絶なさって」
「そ,そうか」
わざわざ近藤さんの声真似までしてくれてありがとう。
あまり似ていなかったが,その方が彼女のためには良いだろう。
「で……このお面は?」
お面から目を外し,僕は彼女の方を見た。すると,彼女はヘルメットをとりながら「えっと」と唸り,
「立場のある方なので…こんなズタボロのゴリラ状態で運んでは世間の風評を買うと思って。顔を
隠すために。『仮面舞踏会研究会』の友達に貰ったお面をちょうど持っていたので」
「…いい友人をお持ちのようだ」
何を研究する会なのだ,一体。
宇宙怪獣のお面をかぶって踊る仮面舞踏会など聞いたことがないぞ。
たしかに仮面っちゃ仮面だが。
どんな部なのだ,一体。そして研究してどうするのだ,一体。
(それにしても…)
本当に近藤さんはズタズタでボロボロで悲惨極まりない状態だった。
なんてことだ…これではまるで死にかけ(死にたてでも可)のゴリラじゃないか。
なんでこんなことに…。
ひょっとしてあの女性か。彼にストーカー行為を働かれているという気の毒な被害女性か。
…気の毒なのも被害者なのも近藤さんのような気がしなくもないが。
しかし,曲がりなりにも真選組トップをここまでこてんぱんに出来る程の女傑なら,いっそ入組して
刀をとってもらえないだろうか。
というか,近藤さんの首をとってくれないだろうか。
色々策を練るよりその方が手っ取り早い気がしてきた。
…などと馬鹿なことを考えている場合ではない。
「とりあえず礼を言わなければ。ありがとう」
「いーえっ…あ!!」
「!」
突如,彼女の懐からM.ジャク○ンの『スリラー』が流れ始めた(単なるミーハーなのか,生前からの
彼のファンなのかはようとして知れない・どっちもあり得る)。
「ちょっとすみません!」
彼女は僕に一言断りを入れると,ゾンビと墓場で大フィーバーを奏でる携帯を開いた。
「もしもし?です」
彼女が電話している間に,僕は近藤さんからお面を取った。面の下から現われた顔も,白目に鼻血に
青痣模様という酷い有様だった。ここまで酷いと哀れになってくる…心から。
「あ~…そうですか」
近藤さんと彼女に巻かれている紐をぐるぐるとほどきながら,聞くともなしに彼女の声を聞いていた。
どうやらあまりよろしくない話をしているようで,彼女の声は暗く沈んでいる。
「はい…すみません。お手数おかけしまして。いえいえ」
紐を解き終わると,途端に近藤さんの体が原付から落ちそうになったため,僕はすかさず肩を貸した。
なんでこの暑苦しい時に,暑苦しい物体を支えなきゃならないのか。哀れだが腹立たしい。
「はい…はい…失礼します」
沈みきった口調のまま,彼女は携帯電話を閉じた。
(何があったのだろう?)
ほとんど見ず知らずの人物とはいえ,若い女性が悲しそうにしているのは妙に気にかかるものだ。
僕がじっと見つめていると,彼女は「あ!すみません!」と頭を下げて原付から降りた。そして,
「2人乗りは違反ですよね?罰金ですか?」
「いや…」
近藤さんの腕を肩にかけ直しながら(…重い)僕は首を横に振った。
「むしろうちの局長が迷惑をかけてしまったようだ。今回は…」
「見逃してくださいます?」
「そういうことだね」
「あ~よかった!」
彼女はほっとしたように朗らかに笑った。
そして――何かに気が付いたらしく,目を丸くして僕の後ろの方をじっと見た。
「…?」
彼女の視線を辿って背後に目を向けると,そこには言わずと知れた屯所の塀があり,その塀には先週
貼った例の≪事務員募集≫のポスターが貼られていた。
「あれ,まだ募集してます?」
「?…しているが?」
それどころか使える人材が全く来ず,このままでは書類の重みで机が崩壊しかねない。
…が,とてもじゃないがそれは言えなかった。
世の中というのは,真実ほど口にし難いように出来ているのだ。
僕の「まだ募集している」という返答に,彼女はぱっと表情を輝かせ,はきはきとした声で言った。
「それなら…!わたしを雇っていただけませんか?」
「はあ?」
僕らしからぬ呆けた声が口から漏れ出た。呆気にとられている僕をよそに,彼女は慌しく鞄の中を
ごそごそと探り,1枚の紙切れを差し出してきた。
「これ,履歴書です!」
「なぜ持っているんだ,なぜ」
この娘は履歴書を持ち歩く癖でもあるのだろうか。んなこたァない(多毛さん口調)。
思わずつっこみをいれた僕の前で,彼女は頬をぽりぽりと掻いた。
「言いにくいんですけど,」
「ん?」
「本当はわたし,今頃事務バイトの面接だったんです」
「…え?」
<言いにくい>と言ったわりには非常にはっきりした口調で,彼女はそう口にした。
「近藤局長を助けて,こちらに運んで,ここで説明してる内に…なんやかんやで面接に間に合わなく
なっちゃって」
「…ほぉ」
「さっき電話で『もう他の人に決めたから』って」
「…はぁ」
それで先程の電話では口調が暗かったのか。なるほど。
「…」
近藤さんを抱えなおしつつ,僕は差し出された履歴書を手に取った。日差しを浴びた真っ白な紙面に
思いの外きれいな字で,つらつらと自己紹介が書かれていた。
≪
大江戸大学・法学部在学。
PCに関する資格は特に持っていないが,ブラインドタッチは可能。
アルバイト歴:家庭教師,水〇黄門の斬られ役,犬の散歩屋さん
座右の銘:3歩進んで2歩撤退
特技:暗算,パントマイム
趣味:音楽鑑賞,死体ごっこ≫
「今日からもう夏休みに入ったし。2ヶ月間ばりばり働けるんですけどねえ…」
畳み掛けるように女学生は――君はしみじみと言った。
僕は履歴書から目を上げ,彼女の顔をまじまじと見た。
君は僕から目をそらすことなく,じっとこちらを見上げてくる。
学歴的には申し分なく,気絶した近藤さんを縛り付けて原付を乗りこなすあたり,体力や運動神経も
なかなかのものなのだろう。資格は持って無くても,ブラインドタッチができるほどパソコンに慣れ
ているのなら,簡単なデータの打ち込みなどお手の物だろう。
つまり…『優秀な人材』といえる。
(いやしかし年頃の娘が,あんな芋侍の巣窟で働くのは…)
なにか間違いが起こってからでは遅いのだ。
いくら空前絶後の人手不足とはいえ,ここはやはり常識的に考えて断るべきなのではないか。
「あーあ。また探さなくっちゃ…バイト先」
誰かさんのせいで,とでも言いたげに君は溜息をついた。
…なんなのだその言い方は。言っておくが僕のせいではないぞ。
警察官のくせにストーカー行為の常習犯であるどっかのゴリラが悪いんだぞ。
「2ヶ月間,よろしく」
採用,と。
ほとんどヤケクソ気味に,僕は彼女に向かって笑いかけた。
…ところどころ微妙に気にかかる点はあったのだが(特に●戸黄門の斬られ役)。