目は口ほどに愛を言う。


まことに突然ではありますが。
僕の彼女を紹介します。
僕の彼女は真選組の女中さんです。
ゴリやマヨラーやドSや嫌味ンテリ(造語)に囲まれながらも,毎日ちゃきちゃき働いています。

「ええっ!?旦那さんが浮気?!」
「そうなのよ。もう別れたみたいなんだけどさ」

驚きに目を丸くしているのが,僕の彼女の(交際歴1ヶ月ほやほや)。
その彼女の隣りにいる幾分恰幅の良い女性が,徳子さん(結婚歴26年ベテラン)。
2人は調理場の流し台で食器を拭きつつ,男としては思わずぎくっとしてしまう話題をしています。
…いや俺は浮気なんてしてないけど!これからもしないけど!
でもこの手の話題って男には鬼門というかさ!

「って,徳子さん冷静ですね」

落ち着き払った先輩女中の様子に,はなんとも不思議そうに小首を傾げています。

「まあ終わったことみたいだからねえ」
「そ,そういうもんですか?あの…どうしてわかったんですか?旦那さんが浮気してた,って」

おずおずといった様子で彼女が問うと,徳子さんは手にしたお皿の表面を指先で叩き,

「それがねぇ…先週の金曜日にね,旦那が仕事帰りに花束を買って来たのよ」
「花束?」
「そ,花束。何の記念日でもないのに。というか記念日にもそういうしゃれたことできる人じゃない
 のに。そもそもそういうの覚えている人じゃないのに」

ふむふむ…と頷く。
彼女の目は「それでそれで?」と熱心に問いかけています。

「いきなり花束をくれて。『理由はない』って言ってたけど,ぴんと来たね。『ああこりゃ浮気して
 たんだな,このひと』って。あの花束は罪滅ぼしだね」
「へえ…」

感心しているような困惑しているような。
そんな複雑な表情で片手を頬に当てるに,徳子さんは片目をつぶってみせました。

「長年連れ添ってるとさ,『最後に帰ってくる場所がわたしならいいかな』って気にもなるんだよね」
「ふうん…そうなんですか」
「だってね~出腹で頭髪薄い汗臭い親父だからね,うちの旦那。昔のかっこよかった時ならともかく,
 こうなるとあまり独占欲もわかなくなるんだよ。愛情は勿論あるけどね。でっかい息子のように
 思えてくるんだよ」
「旦那さんが?」
「大人の男なんていないからねえ」
「へえ…」

今度は心底感心したように頷く。
…というか,さっきからお皿を拭く手が完全に止まってるんですけど。

「ねえ,ちゃん。話を聞いてくれるのはありがたいんだけど,手が止まってるよ」
「あっ!ごめんなさい!!」
「いやいや良いんだけど。そんなに熱心に聞いてくれると話し甲斐があるってもんだし」

慌てて布巾を動かし始めたに,徳子さんは親しげに笑いかけました。
その笑顔は『話を聞いてもらってすっきりした』的な爽やかさで満ちています。
(…なんというか)
2人の一部始終を見ていた僕は,徳子さんとは反対に溜息をついてしまいました。

僕の彼女は――そう,『聞き上手』です。

誰かの話を聞いている時は,相手と同じとこで笑うし,悲しむし,怒ります。
たとえば誰かの悩みを聞いてあげている時は,彼女もまたすごく困った顔をして「大変だね」と眉を
寄せて,一緒になって真剣に悩んであげています。
たとえば誰かが「今あれについて質問して欲しいなあ」と思っていたら,それを敏感に察知して自分
から「あれはどうなったの?」と訊いてあげています。
そんな感じですこぶる聞き上手なので,皆は『とにかく誰かに聞いて欲しいこと』をひっきりなしに
に話します。
人の彼女を【王様の耳はロバの耳】に出てくる地面の穴だとでも思っているのでしょうか…。
とにかくこの『聞き上手』というスキルは,自分勝手極まりない・人の話など聞きやしない暴虐無人・
極悪非道な男共の巣窟において,非常に素晴らしい能力なのです。
本人に「は聞き上手だね」と言ったら,「自分の話を始めるタイミングを掴めていないだけだよ」
と謙遜していたけど(まあ確かに彼女は少しとろい部分がある)。
とにかく,だ。
聞き上手な女を嫌いな男なんて,この世に存在しないのです。

「なんでザキなんだよ。おかしいだろ,どう考えても。あんなもっさりした野郎のどこが良いんだよ。
 いまだに表紙に描かれていねェ野郎だぞ。お情けで背表紙だぞ。いいのか,いろいろ」
「実は嬢はドMなのかもしれねェですぜ,土方さん。人生のドM。苦労すんのが好きなのかも
 しれねェ。いるんだよなァ…いい女なのに損ばかりするタイプ」
「あーいるいる,そういう女。見た目も悪かねェし,性格もすげェ良いのに,なんでかロクでもねェ男に
 引っ掛かってばかりいる女。えてして優し過ぎるんだよな,そういう女って」
「そうそう。嬢は人がいいですからねィ。お人好しっつーか。でもドMならザキより俺とくっつく
 方が絶対良いと思うんですけど。需給のバランス的に」

自分の彼女がたくさんの人から好かれていることは,彼氏としては嬉しいし誇らしいです。
だってその彼女のハートを僕は射止めたわけだから(ふふん)。
けど――反面,面白くない気持ちもあったりします。

「なんにしろ,彼女のホスピタリティを山崎君1人が独占しては真選組の損失だよ。社会的な損失だ」
「ほす…?先生,なんですかそれ?」
「ホスピタリティは『もてなしの心』みたいなものだよ,近藤さん」
「あーなるほど!伊東先生はちゃんがホステスさんみたいだって言いたいんですね!」
「…あたらずといえども遠からず,かな。うん」
「アンタ達,そういう会話はせめて俺のいないとこでしてくれません?」

あんまりにもあんまりな話の内容に,俺は堪えきれずツッコミをいれた。
そっと調理場を後にして,隊士たちの待機部屋に足を運んでみてみれば。
幹部4人が炬燵でぬくぬくと茶をすすり,人の彼女について余計なお世話としか言い様がないことを
好き放題くっちゃべっていた。
…うちってこんなに暇な組織だったっけ。
まァそんだけ世の中が平和な証拠かな,うん。
俺の回りはまったく平和じゃないんだけどな。
…あれおかしいな。なんか目から汗が出てきた。
俺が袖で目頭を押さえていると,沖田隊長は湯呑を手の中でぐるぐる回しつつ,

「お前がどっか行けばいいだろィ。先にいたの俺らだし。大体さっきから1人称が『僕』になったり
 『俺』になったり紛らわしいんだよ。『あれっ?こいつ間違えてんじゃね?こいつ推敲してないん
 じゃね?』って皆に思われたらどうすんだよ。迷惑だから1人称統一しろよ,馬鹿」
「隊長,あんた誰の目線でもの言ってんですか!?」

世界観を崩壊させかねない超アグレッシブな発言に,『俺』は目をひん剥いた(わかりましたよ統一
すりゃ良いんだろ,満足かこのヤロー)。

「ザキ。ちょっと前から思っていたんだけどな,お前は感謝の気持ちが足りない。俺はそう思う」
「…はい?」

唐突にゴリが,じゃないや局長が腕組みをして語り始めた。
感謝って…え?誰への?というか何に関して?
俺が首を傾げているのを見て,近藤さんはやれやれと肩をすくめた。

「全くわかってないな,ザキよ。ちゃんとお前がお付き合いを始めたきっかけは何だったか。
 よく思い出してみろ」
「きっかけって……そりゃ,あれでしょ。が庭のど真ん中で叫んだからでしょ,白昼堂々」

俺への愛を,とまでは言わなかった(心の中ではめっちゃ言い切ったけど)。
それを言ったらこの4匹の野獣の逆鱗に触れることくらい,俺でもわかっていた。
近藤さんは「それそれ」と頷いて,

「じゃあちゃんが叫んだのは,なんでだ」
「なんでって…」
「ああ。なるほど」

そこで伊東さんがポンと手を打った。

「考えてみれば,君があの場で君への好意を口にしたのは,僕らが騒いであげたからじゃないか。
 つまり今君らが付き合っているは,僕らのおかげじゃないか。近藤さんの言う通りだ。たしかに君は
 僕らに対する感謝が不足しているな,山崎君」

いや『騒いであげた』って何?
そんな恩の着せ方聞いたことねェよ,この嫌味ンテリが。
そもそも勝手に騒いでただけのくせして,さも『2人のためを思って敢えて騒いだ』みたいな言い方は
どうなんだよ。あんたの面の皮はSQジャンプ並か…メガネかけづらそうだな。
つーか隊士に向かって「ごめん」「悪かった」「反省している」の3語を一度たりとも使ったことの
ない男から『人への感謝』について語られても説得力皆無なんですけど。

「そーだそーだ。山崎は感謝の気持ちが足りねェんだよ。少しでも感謝してんなら嬢を貸し出す
 くれェのことできるはずだ。俺に。夜に」
「いや貸し出すわけないでしょ。つーかなんでよりにもよって夜!?」
「ったく器のちっせェ奴だな。そんなに自分の女を独り占めにしてェのかよ。束縛すんのはな,自分に
 自信がない証拠だっつの。だっせェ男だな」
「『自分の女が元彼と連絡取るのは許さねェ』って言ってた副長には言われたくないですよ!」

心から勝手なことしか言わない上司たちに喚きながら,俺はと付き合うきっかけになった日のこと
を思い出した。

   わたしは山崎さんがこの世で1番好きなんです!!

…一体何事かと思った。
嬉しかったけど何事かと思ったよ,うん。
自分の願望(ていうかむしろ妄想)が高じて幻聴が聞こえたのかと思ったからね,一瞬。
いやホントにね,まさかああいう形で付き合い始めることになるとは思ってなかった。
「いつ告白しようか」と考えてた時期だっただけに,あの時は内心腰を抜かすほどびっくり仰天した。
でも――だ。
「告白しよう」と思っていたけど,ぶっちゃけ絶対OKしてもらえるって自信があった。
なんつーか…ってホントに『わかりやすい人』だから。
良くも悪くも,好き嫌いが全部視線に出てしまう人だから。

ええ,そうです。
俺はたびたび彼女から繰り出される熱視線を感じていたわけなのです。

女中の仕事をしてても,勿論きちんと全員に同じものを差し出してはくれるけど,たまにバレバレな
えこ贔屓があった。
たとえば,稽古の後に渡してくれるタオルが,俺のだけある日突然新品になってたり(しかも香り付)。
「余っちゃったからあげます」と手作りのお菓子を山ほどくれたり(それも何度も)。
ミントン関連の雑誌を沢山読んで,話を合わせようとしてくれたり(隠れて読んでるのをよく見た)。
縁側で休憩してたら,いつの間にか俺の隣にいて構って欲しそうにしてたり(こっちチラ見して)。

──なんかもう全身から「好き好き!」ってオーラが出まくってた。
そういうのが可愛くてしょうがなかった(むしろ『萌え』と言ってもいい)。

だから両想いってことには,ほとんど確信を抱いていた。
でも,今時古いかもしれないけど「告白は男からだ!」と俺は思っていたから,に先に言われない
ように,ここぞという機会を虎視眈々と狙っていた。
はあれで結構ロマンチックなコだから(隠したがっているみたいだけど)できる限りそういう
甘い演出をして,ちゃんと色々準備した上で俺から言ってあげたかった。
「好きだよ」って。
言ってあげたかった。
(…言ってあげたかったんだけどなぁ)

こ・い・つ・らの…せいで!!

俺は目の前でごろごろ寛いでいる奴らをきっと睨み付けた。
…そうだ。そうなのだ。
こいつらのおかげで付き合い始めたんじゃない。
こいつらの『せいで』あんなぶっつけで付き合い始めることになったんじゃないか。
むしろほっといてくれたら,ちゃんと段階を踏んで付き合い始めることができたんだよ。
…いや,まァ,俺的にはああいう始まり方も「あり」なんだけど。
あれはあれである意味ロマンチックと言えなくもないと思うし。
俺的にはね。
でも的には,きっともう少しムードのある始まりを期待してたと思うんだよね。
あーーーー…もう。なんだかな。
なんか…普通に腹立ってきたんだけど。
すっげー腹立ってきたんだけど。

「入りますよ~」

聞き慣れた澄んだ声が響いて2秒後,すっと襖が開いた。
肩越しに振り返ると,そこには予想通り愛しき人が――が蜜柑の盛られた小籠を手に立っていた。

「あれ?山崎さん,なに怒ってんですか?」
「え。あ,いや,べつになにも?怒ってないけど?」
「そう?」

は不思議そうに首を傾げた。
あぶないあぶない…4人への怒りに顔を歪ませたままの方を向いてしまったらしい。

「どうしたんだ,」

無意味に背筋を伸ばした副長が,突然現われた『見た目も悪かねェし,性格もすげェ良いのに,なんでか
ロクでもねェ男に引っ掛かってばかりいる女』(土方談・でっかいお世話)に話しかけた。
いや炬燵の中で背筋伸ばされても,まったく格好ついてないんですけど。

「朱美さんのご実家がお蜜柑をたくさん送ってくださったそうで。皆さんもどうぞ,とのことです」
「おーいいね!冬はやっぱり炬燵で蜜柑!これ基本だよね!」

局長は目を輝かせて蜜柑の籠を凝視している…これはごく一般的な反応だな,うん。

「冬の風物詩だね。ありがたくいただくよ。朱美君のご実家は和歌山だったかな」

伊東さんは「いや愛媛だったか?」と1人悩み出す…これもまあ普通の反応だ。

「嬢も一緒に食べやしょう。あ,でも席が足りねェな。仕方ねェから俺の前に座んなせェ。
 後ろから抱きつきながら蜜柑の皮剥いてやらァ」

こいつは普通じゃねェェェ!!後半になればなるほど余計に!!!

「隊長なに言ってんですか!」
「うーん…なんか暑苦しそうだから結構です」
「って,そういう問題!?」

はどこまで本気なのかわからないとぼけた返答をして,籠を炬燵の中央にぽんと置いた。
のせられた蜜柑は,たった今置かれたばかりだというのに,まるでずっと以前からそこにあったかの
ように,あっと言う間に風景に馴染んだ。
『炬燵に蜜柑』はたしかに冬の風物詩と言えるかもしれない。

「あのさー,蜜柑食った後に牛乳飲むと『おぼろろろ』ってなるのはなんでなのかな,ちゃん?」
「うーん…なんででしょうねぇ?なんでですか,伊東さん?」
「さあ…僕に聞かれても。でも味はともかく,胃に悪影響は無いと思うよ」
「胃に悪影響はないって言ってもな,あの味は悪だろ。なんであの組み合わせが給食によく出るのか
 ガキん頃から不思議で仕方なかったぞ」
「土方さんはなんでも犬の餌にするからどっちみち大して変わんねェでしょ」
「あははは!」
「いやなに大笑いしてんだよ,。なに頷きながらバカ笑いしてんだよ」
「だって面白いんですもん」
「いや『もん』じゃねェよ(可愛いけど)」

きゃっきゃと皆と楽しそうに話しているを見ていると,なんかこう…溜息をつきたくなる。
炬燵の上にすぐに馴染む蜜柑と同じ原理で。
はすぐに人の輪に溶け込んで,ひとつの風景をつくりあげる。
人の上に立つような性格じゃないし,人の中心に据わるような性格でもないけど。
人の懐にするりと入って,馴染んでしまう才能があると思う。
そのくせに,

  皆の前では今まで通り,普通に接した方がいいよね!

分別がありすぎる,というか。意外と理性的というか,冷静というか。
一定の距離感も…ある,気が,する。
付き合うことになったその日に「皆がいる所では敬語で話すね。皆に気をつかわせちゃ悪いし」と
は早速釘をさした。いや「釘をさした」ってわけじゃないんだろうけど,俺の心境的に。
たしかにね。同じ組織内・同じ場所にいるカップルに対して,人は自然と気を遣うものだ。
…普通は。
でも普通じゃない奴らの巣窟なのだ,ここは。
奴らは気を遣うなんて優しい神経持ち合わせちゃいないし,それどころかなにかと突っかかってくる
野獣共なのだ。だからこっちだってそんなに気を遣う必要ないと俺は思う。
むしろ「俺たちラブラブです!」って空気を出した方が,なにかと良いと思う。
…いや。それはそれでやっぱりダメか。今より更に弄りが酷くなりそうだしな。
なにはともあれ,だ。
彼女の真面目さはありがたいし,そういうとこも好きなんだけれど…正直少し寂しい。

「山崎さんもどうぞ」

お蜜柑,とに差し出されてハッと我に返った。
は俺のもの思いを知ってか知らずか,にこにこ笑ってはいるけれど,目はじっとこちらを見つめ
ている。「なにか悩んでるの?」とでもいうように。
うーん…鋭い。それに,強い。
女の人というのは総じて強いのだ。

「ありがとう」
「いえいえ」

はぽんと俺の手に蜜柑を乗せると,

「それじゃわたしはこれで。皆さん,炬燵にずっといると出れなくなりますよ。千秋先輩みたいに」

…と,某音大生少女漫画の影響を受けまくった発言をして,くるりと皆に背を向けた。
うん…映画を見に行く前に漫画全巻一気に読んだからね。ドラマDVDも一気に見たからね。
そりゃ影響受けるよなァと俺が苦笑していると,はチラリと意味ありげに俺を見た。

(…?)

そして気付いた。
さっき受け取った蜜柑の底面に,なにか紙が貼ってあることに。
はこっそり片目をつぶってみせると,そそくさ部屋から出て行った。

「『ちあきセンパイ』って誰だい?」
「伊東さん,知らねェんですかィ?『のだめ』でさァ。有名ですよ」
「お前あんだけフジが宣伝しまくってんのに知らねェのか」
「はっはっは!伊東先生は流行物には弱いんですな!」
「…民放は見ない主義なんだ,僕は」

暇人4人衆の暇な会話を横耳に,俺は蜜柑のメッセージを食い入るように見つめた。

<明日晴れると良いね!楽しみvvv by >

蜜柑と同じ色のペンで書かれた字の横には「むきゃっ♪」と笑ったテルテル坊主の絵が。

「…」

ふっふっふっふ。
はっはっは……。
ふははははは。
我ながら気味の悪い笑い声が腹の中に響く。
頬がにやけそうになるのを必死に堪え,でもどうしても堪えきれず小さくガッツポーズをした。

(うん!明日晴れると良いね!)

なにせ明日は…
…
……
………デートなんだから!!!!

ここのところ細々とした雑用をなにかと押し付けられて(絶対僻みだ)なかなか2人の時間をとる
ことができなかったけれど。明日は久しぶりに勝ち取った非番だ。

(明日天気になるがいい!!)

迫力のある語尾で迫力のない内容を無言で叫び,俺は紙に描かれたテルテル坊主にへらりと笑った。